ホルモンの前に来るべき質問

多くの保護者の方が一つの質問を持って来られます — 「うちの子に注射をすべきでしょうか」。
無理もありません。報道も広告もそこを最も多く扱うからです。ですが、その前に来るべき質問は 「このお子さんの成長を、いま何が妨げているのか」 です。
答えは一人ひとり違います。そして少なくない数のお子さんでは、その答えはホルモンにはありません。
ホルモンが正しい答えである場合

成長ホルモン治療が明確に適している状態はあります。体内で十分に作られていない場合、補うことがその状態に対する治療そのものです。
これらは検査によって診断されるものであり、身長から推測するものではありません。治療の前に必ず検査が来るのはこのためです。
ただし、欠乏がないのに背が低いお子さんのほうがはるかに多く、その場合はより広い見方が必要になります。
同時に見る5つの軸

私たちは成長を5つの軸で見ています。
- ホルモン — 成長ホルモンだけでなく、性ホルモンや甲状腺も含みます
- 睡眠 — 成長ホルモンは深い睡眠中に最も多く分泌されます
- 栄養と吸収 — 食べていることと吸収できていることは別の話です
- 運動 — 成長板への刺激と体組成に関わります
- 姿勢 — 実際に立てる高さと測定値は同じではありません
毎晩夜更かしをしているお子さんは、どんな治療であってもその効果を十分には受け取れません。
思春期のタイミング — 見落とされやすい軸

成長が早すぎるお子さんの場合、問題は伸びが遅いことではなく 残り時間が短くなっていること です。
思春期が早く始まれば、成長板もその分早く閉じます。今は同級生より背が高くても、最終的にはより低い身長で終わることがあります。
この場合、何かを足すことよりも、残っている期間を保つことのほうが効きます。そしてそれを教えてくれるのが骨年齢です。
炎症と吸収

慢性的なアレルギーや呼吸の問題があるお子さんは眠りが浅くなりがちで、浅い睡眠はホルモン分泌に直接影響します。
同じように、消化管に問題があるお子さんはよく食べていても吸収できていないことがあります。外から見えるのは「よく食べるのに伸びない」という形で、これは食事量の問題ではありません。
どちらも検査で分かりますし、ホルモンを使わずに対応できます。
初診で得られるべきもの

良い初診は、何を使うかという提案ではなく、何が このお子さんの成長を制限しているのかという説明で終わるはずです。
来る人すべてに同じ答えが返るのであれば、それは診断ではありません。
成長にはお子さん一人ひとりの差があります。本記事は一般的な情報であり、診断ではありません。
FAQ
うちの子に成長ホルモンは必要ですか
身長ではなく検査結果が決めることです。実際にホルモンが不足しているお子さんと、不足はないが背が低いお子さんは別の集団で、必要な進め方も異なります。
睡眠は本当に身長に影響しますか
します。成長ホルモンは深い睡眠中に最も多く分泌されます。夜更かしや、アレルギーで眠りが浅い状態では、どんな治療でも効果を十分に受け取れません。
なぜ思春期まで見るのですか
思春期が早く来ると成長板も早く閉じるからです。今は同級生より高くても、最終的に低く終わることがあります。それを教えてくれるのが骨年齢です。